高校数学参考書と単元

概要

使う参考書や今時の受験事情について述べます。

青本(登録商標らしいので書けず):3,006題、偏差値70、代表が2000年頃に渋幕にいた頃はこれを使っていた記憶があります。啓林館の黒本(これも登録商標なので書けません)が未発売だったためです。今の渋幕は黒本を使っているらしいです。掲示板の書き込みを読んだだけなので、本当か実際に見たわけではありません。青本は灘や大阪星光に通っていた従兄弟達も使っていたので、2000年代までは全国の中高一貫校でも定番の参考書だったようです。他の従兄弟が洛南と、兄が開成だったので、当時の教材をいつか聞いてみます。

青本は2020年代でも札幌南のように公立高校では現役の参考書です。ただし、進学実績の高い学校は青本だけでなく、授業プリントや塾でより難易度の高い教材を使って自習しています。代表は塾に通わず青本だけで校内模試で10位前後の成績を取れていたので、教材は使い方次第だと思います。そして、青本は今でも偏差値70の受験に通用する教材だろうと予想しています。

Z会?の模試っぽいです。私立中高一貫校は指導要領ガン無視です。

話は脱線しますが、北海道の私立高校だと北嶺という学校が最も高い学力水準であると代表は思います。地方にこれだけ優れた学校があるのかと感心しました。学校の体制や生徒は渋幕に負けていませんし、正直理数系なら渋幕より高い水準のような気がします。まあ、私が在籍していた頃から15年以上経っており、渋幕は更に進学実績を伸ばしたようなので、現在は様変わりしているかもしれません。

代表の一例を紹介します。中3時点(秋?)で数学1の図形と計量(当時は三角比)まで出題されています。私立中高一貫校は中学入試時点で公立高校入試相等の試験を突破しており、更に指導要領を無視した授業をしています。

公立高校の生徒の1.5倍から2倍の授業時間と演習量を積んでいます。1年から2年先取りした授業もしており、高2までに数学3まで履修済です。この辺りの私立と公立の格差は首都圏では常識ですが、一般にはあまり知られていない事情だったと札幌に来て知りました。地方は公立高校が政治都合で優位な傾向だからかもしれません。

事情はさておき、一般入試の大学受験では内申点は考慮されず、学力のガチンコ勝負になります。受験生の出身校が公立や私立かの区別もされません。点数勝負になれば私立中高一貫校が進学実績で公立高校を圧倒するのは当然の帰結です。

単元

指導要領は10年毎に変わります。単元の名前も一部入れ替えがあります。2022年から新課程になるそうで、その時点で高校1年生だった生徒達が受ける予定の2025年?の共通テストから新単元が適用されるみたいです。

代表が高校生の頃は数学3Cまでありました。数学Cに行列があり、データ分析がありませんでした。一方で、数学Aにある整数問題は当時の単元になっていなかったような気がします。

2015年?から続く高校数学の科目毎の単元と特徴は以下の通りです。

  1. 数学1A:共通テスト配点100、7単元から6単元を選択回答します。ただし、2次試験では選択不可なので、全単元の対策が必要です。単元「整数の性質」は特に難易度が高い単元です。単元「場合の数と確率」も他の単元と異なる独特な特徴を持つ単元で、別に対応します。
  2. 数学2B:共通テスト配点100、10単元から9単元を選択回答します。単元「確率分布」は2次試験で出題されない?為、選ぶ人がほとんどいません。ほぼ9単元、選択なしとみなして良いです。公立高校では確率分布の授業がそもそも未実施だったりします。書類上は教えた事にしているようなので、学校の実態は酷いものです。
  3. 数学3:理系のみが選択する科目で、2次試験でしか使いません。2次試験の配点は学校によって異なりますが、4割程度と無視できない割合となります。演習量がとにかく多く、高3から履修を始めたらまず間に合いません。その為、私立や偏差値の高い公立高校では高2後期から先取り授業をしています。

共通テストは配点も単元別に決められています。

一方で、2次試験は大学毎の違いが多く、配点非公表の大学も多いです。その為、素点で合否を推定します。

2000年頃からか有料ですが国公立大学で得点開示ができるようになったらしく、より詳しい反省ができるようになりました。

数学の出版社は伝統的に数研出版のシェアが高いです。たしか5割だったと思います。小学校や中学校の教科書は啓林館のシェアが高いですが、高校数学は異なります。2010年頃から黒本や商標未調査の本の販売により啓林館や東京書籍が数研出版のシェアを取りにいく動きが見られます。

代表がアメリカ留学していた頃に使っていた欧米の教科書と比べると日本の教科書は質も量も足りていません。あんなにわかりにくい教科書が放置され続けている現状は謎です。他の科目の教科書は様々な工夫が見られるのと対照的です。出版業や教科書流通の法規制を撤廃して、自由競争により質を上げて欲しいです。

数学1A

  1. 数と式:共通テスト第1問で、集合と命題と合わせて配点15です。集合記号や必要十分条件、背理法などは意外に解けない人が多いです。他の単元より易しく見える反面、演習量を積んで誤答を避けたい単元です。
  2. 2次関数:共通テスト第1問で配点15です。三角関数など他の単元で援用される単元なので、完璧に仕上げる事が大切です。
  3. 図形と計量:2010年頃までは三角比と呼ばれていた単元です。三角形を用いた平面図形から立体図形まで幅広い応用問題が出ます。計算演習もして数字が合うかまで練度を高めましょう。第2問で配点15。
  4. データ分析:2012年?から追加された単元です。統計の事です。相関係数の定義まで用語と公式を覚える事が肝心です。長い文章を読ませる設問となるので、私は他の単元を優先して解いています。共通テスト第2問で配点15。
  5. 場合の数と確率:共通テスト第3問、配点20。選択科目。順列、組合せ、反復試行の確率、条件付き確率を覚えればほぼ完成します。覚える公式は少ない代わりに設問の多様性が高く、対策しづらい単元です。難易度も数列などの単元と組合せる事で格段に難しくなります。
  6. 整数の性質:共通テスト第4問、配点20、不定方程式が毎年出題されます。解く手順が長く、間違いやすいです。2次試験では着眼点を見つけづらい設問が多いです。演習量を積んで様々な設問から解法を見つける練習をします。
  7. 図形の性質:共通テスト第5問、配点20、三角形の角の二等分線と辺の長さの比、チェバの定理、メネラウスの定理、三角形の成立条件、円の内接四角形、円の接線、5心、方べきの定理、接弦定理、オイラー標数。公式暗記が必要ですが、活用できるかも問われます。設問から作図したり、図から活用できる公式を見抜く練習をしましょう。


数学2B

  1. 式と証明:相加相乗平均が難易度の高い設問で問われます。他の単元と組み合わせた出題が多く、気付きにくいです。三次式の展開・因数分解、恒等式、二項定理、多項定理、整式の四則演算をそれぞれ覚えて練習します。
  2. 複素数と方程式:剰余の定理が頻出。因数定理は4次式以上の整式の因数分解でよく使います。組立除法や分数式の有理化も計算練習します。
  3. 図形と方程式:直線の方程式、円の方程式、軌跡、領域が主な単元です。軌跡と領域は難易度が高い傾向があります。線形計画は入試問題で頻出です。
  4. 三角関数:公式が特に多いです。他の単元の倍以上あります。この単元だけで公式が大体50個程度あります。三角不等式など応用問題も作りやすく、難易度の高い設問を作りやすいです。反面解法を覚えれば得点源になります。
  5. 指数関数・対数関数:共通テストでは指数不等式か対数不等式のいずれかが出題されます。公式は少なく、解法も少ないので、確実に得点したい単元です。
  6. 微分法:共通テストでは接線公式、増減表が問われます。接線公式は2次試験でも北大でよく問われます。他の大学は未調査です。
  7. 積分法:多項式の積分に限定されています。面積の定積分が模試や共通テストで問われます。計算時間がかかります。公式の数は少ないです。数学2Bの中では計算量が多い単元ですが、数学3の積分法と比べると計算量がかなり少ないです。
  8. 数列:第4問、配点20、選択問題、共通テストは漸化式が問われます。漸化式は一次式、階差数列型のいずれかが問われるようです。
  9. ベクトル:第5問、配点20、選択問題、共通テストはベクトル方程式が問われます。
  10. 確率分布:正規分布などの特徴的な分布の特徴を覚えます。

数学3

  1. 複素平面:complex planeの事です。何故か文科省が決めた日本語では複素数平面と呼ぶらしいです。極形式は大学の電磁気学でよく使うので懐かしいです。
  2. 極限:無理関数の極限の式変形は計算練習をします。
  3. 2次曲線:公式が多いです。楕円、双曲線、放物線、3曲線の接線公式
  4. 関数:分数関数、グラフの平行移動などは2次関数の範囲を活用します。
  5. 微分法:合成関数の微分、三角関数の微分、指数関数の微分、対数関数の微分
  6. 積分法:三角関数の積分など関数を限定せずに積分します。部分積分、置換積分もそれぞれの場合毎に練習します。パターンが非常に多く、計算練習も必要です。岩波書店の数学積分公式集に全パターンが網羅されています。これは大学生協にしか取り扱いがない教材であり、高校範囲を超えています。


問い合わせ

名前

メール *

メッセージ *