30代からの受験勉強
概要
千葉で商売に行き詰まった代表は、2018年に札幌へ全国自転車旅行で訪問しました。そのまま5年以上住んでいます。また、札幌に来てから個人事業主として家庭教師を兼業しています。家庭教師をして疑問に思ったことや、気づいた事があります。
まず、代表は30代であり、大学受験勉強をしていた10代の高校生の頃に比べると、知識や計算力の低下が起きています。ところが、大人は大抵、自分の能力を過信しており、特に学力は高校生の頃より低下している事が多いです。一方で、受験体験など記憶は現役の気分のままなので、知識や演算能力の低下に気づけない状態であるようです。代表もそうでした。
また、代表は普通の人ではありません。特殊な進路を歩んでいます。物理と数学のみの推薦入試で大学へ入学しました。よって、センター試験を受けていません。国立大で推薦は今でも全体の1割未満ですので、当時から私の存在は珍しかったです。大学受験といえばほぼ全員がセンター試験を受ける事から、受けていないのに人に教える事に不誠実さを感じました。そして、センター試験が2020年で終わる事から、代表が仕事の合間に勉強して受けてみました。2020年のセンター試験の得点率は7割でした。代表の大学の母校の一般入試の水準と同等でした。地方国立大卒の学力はこんなものです。高校の母校の平均得点率は85%なので、やはり学力は落ちています。私は高校も大学も学校の配布物に名前が載る程度の成績優秀者でした。
共通テストで試験問題がだいぶ変わりました。新課程に変わったこともあり、再び受けてみました。2025年の共通テストの得点率は71%でした。加齢による衰えが進んでおり、もう昔の水準に戻ることはなさそうです。
札幌は特殊な土地です。顧客の依頼内容が代表の学歴を超える場合もあります。特に札幌市民には地元に相当する北大受験指導を依頼される場合がそれに当てはまります。残念ながら代表の出身校である千葉大は北大と比べると一般入試の偏差値で劣ります。センター試験でいえば、北大合格者平均の得点率は8割です。共通テストでは75%だそうです。
そして、家庭教師の依頼主である一般家庭は学歴を重んじる傾向があるらしいです。それが事実かどうかは4年以上経てもわかりません。結局一般家庭と呼んだところで、おかれている状況は千差万別だからです。
北大志望のご家庭の場合は原則、合格によって学力を証明できている北大生や、講師がある程度の学力は持っているであろう著名な大手学習塾に依頼するよう勧めています。ただし、大手塾の講師の学歴は非公開の場合が多く、学力も家庭教師程学歴は問われない印象があります。講義は家庭教師と違い、事前に準備できるからです。家庭教師は原則生徒の質問には即答できる事が付加価値になります。また、代表は予備校に通った事もないので、塾講師の学力はわからないです。
このような事情はさておき、家庭教師を依頼して頂く場合もあります。代表が丁寧な仕事を信条としているので、できる範囲で対応しています。そういった経緯もあり、代表も現役の頃の学力を取り戻したいと思います。そこで、以下の復習をはじめました。
使用する教材を後述します。札幌に来てから主に古本で110円か220円で買っています。代表はケチなので、それ以上の金額では買いません。残念ながら、2025年の椎間板ヘルニアで入院したのを機に大半の本を処分しました。重いものを部屋から減らして腰の負担を軽くするためです。加齢による衰えが深刻です。
また、日本では2015年頃から無料の動画教材がインターネット上で盛んに出回るようになりました。アメリカでは2008年の金融危機後から既にMOOCなどの形で出回っていたので、5年程遅れて日本にも流行が届いた印象です。動画講義を見ながら演習してみます。
勉強法は何であれ、勉強は繰り返しが全てです。2022年2月に始めて、勉強時間は5,000時間を目指します。当初は1年で終わる計画でした。ところが、予想以上に加齢による体力気力の衰えが深刻であったので、勉強時間を1万時間に変更し、勉強期間を4年間に延長しました。
教材の難易度は大まかに以下の通りと想定しています。
- 全国模試偏差値50:センター試験得点率6割、共通テスト得点率5割
- 全国模試偏差値60:センター試験得点率8割、共通テスト得点率7割、旧帝大入試得点率6割、早慶
- 全国模試偏差値70:センター試験得点率9割、共通テスト得点率8割、東京一工(東大、京大、一橋、東工大)、国公立医学部
全国模試は日本で受験者数が最も多い予備校主催の模試を基準としています。模試の実施団体によって母集団は異なり、偏差値も20近く変動します。そこで、母集団が大きいことや設問を見聞きして選びます。異なる実施団体の模試の偏差値は原則比較できません。
ところで、最近は模試の合格可能性判定の精度が悪いです。特に2015年以降の私立大学入試に顕著です。A判定でも落ちる人が増えたような印象があります。私立大学の定員厳格化など、文部科学省の政策転換による受験環境の変化が背景です。また、模試の設問と本番の設問の難易度や出題傾向が異なる事も要因です。逆に合格可能性1割未満と言われているE判定から合格する人の割合が増えたような気もします。統計を見れば明らかですが、上位校程母集団に対してD判定以上の割合が極端に少ないです。このような事情から、判定よりも得点率、偏差値、順位を評価基準にします。
数学
4,000時間を予定しています。動画を視聴しながら動画の例題や問題集を演習します。使用する問題集は以下の通りです。全て古本で2018年から2020年の間に一冊220円以下で入手しました。カネをかけたくないのでところどころ教材が足りていません。
動画教材の視聴は2022年中に1,330時間を予定しています。
著作権法や商標法があるので、出版社や教材名は原則伏せることにします。
- S社:教科書傍用問題集4:5冊で2,300問、偏差値60、2月から9月まで毎月1周の予定です。代表が高校生の頃にこんな薄い教材あったっけ?という印象です。忘れただけだと思います。問題数の内訳は、概算で数学1Aが800題、数学2Bが900題、数学3が610題です。
- K社:黒本:3,674題、偏差値70、チャレンジ編は歯ごたえがあってよいです。チャレンジ編以外の9割のページは後述の青本と内容が重複するので、どちらか片方だけを演習すれば十分です。題名は登録商標でした。
- S社:青本:題名は登録商標でした。偏差値70、日本で最も有名な参考書です。公立、私立問わず多くの学校で買わされます。1920年頃から発行しているそうで、驚きました。曽祖父達や祖父達も旧制高校受験で使っていたかもしれません。ただし、最近の共通テストは出題形式が大きく異なるので、これだけでは対応できなくなりました。
- K2社:問題集P:偏差値70、2次試験対策の仕上げにちょうどよい難易度です。東大受験生がよく使うらしいです。業界最大手の予備校の企業グループが出版しているだけあって、品質が安定しています。
- S2社:問題集H:顧客の学力が高いと評判の大手予備校の企業グループが出版する本です。偏差値70、合格最低点よりより高い得点率を目指す教材です。K2社からも同じ名前の教材が出版されていたような記憶があります。混同します。
- センター過去問:通称赤本。30年分、偏差値50、時間制限との戦いです。過去問演習も模試も本番も、代表は一度も時間内に完答できませんでした。難易度だけでなく、計算の工夫や演習量を積んで回答時間を短くする練習をします。
- 北大数学の赤本:北大はどうやら夏の期間限定で公開しているようです。東大や京大は通年で公開してくれているようです。北大数学の講評は予備校の難化の講評と真逆で、手厳しい内容でした。大変興味深かったです。
英語
代表の英語の得点率は、センター試験2020年で85%、2019年の模試で90%です。共通テスト2025年は8割でした。共通テストになってから感染症流行も相まって模試を受けていないので、出題傾向の変化をよく知りません。共通テストで分量、質ともにとても難化したようです。一部を解いてみた印象は、英語の試験というより国語の読解試験のようでした。
動画視聴は400時間を予定しています。
- K3社:文法解説書F:400ページの文法解説書
- K3社:文法問題集N:1,300問
- O社:R英文法:代表が高校生の頃に使いました。処分済です。高い本なので、買う予定はありません。ここに載っていないものはないと断言できる程質の高い本です。大学受験には過剰な水準です。
- O社:S解説書:読解解説書です。過去の生徒から使いたいと申し出があり、読み合わせをしていました。英検準1級相当の読解力が付きます。実は兄の高校の母校の英語の先生が書いた本です。代表が読んだ印象は、東大受験にも耐える高い難易度です。世間の言う基礎ではなく、文法知識や読解技法など前提知識がある人向けの教材です。
- センター赤本:30年分、代表は2020年のセンター試験で85%得点できました。模試も9割で安定しています。満点を取る為の演習を追加予定です。満点と9割は僅かな差にみえますが、演習量に大きな差があります。難関大入試や医学部入試ではこうした差を詰める努力が重要です。
- 北大赤本英語:札幌に来てから古本を216円で買いました。2010年頃のもので古いです。
物理
代表は物理に秀でた受験生として大学入学した身なので、困ることはないだろうと思っていました。甘かったです。共通テスト2025年は8割弱しか取れませんでした。札幌に来てから模試をうけておらず、2020年センター試験も生物化学で受験したので、物理は実際に何点取れるかわかりませんでした。
動画視聴時間はG社のもので、1,246時間を予定しています。また、再生数が多いK社の2つ目の動画教材にも興味が出たので、更に840時間追加します。こちらは大手予備校講師の解説のようです。
G社:Hシリーズ:講義本が2冊、共通テスト水準の問題集が2冊、難関国公立や早慶の過去問を多く含んだ問題集Highが1冊と全部で5冊あります。顧客が使っていて、解説を頼まれたのがきっかけで知りました。
Hシリーズは、ユーチューブに無料動画講義が公開されています。動画の内容は緻密で気に入っています。ただし、視聴するのに178時間かかります。再生回数が5年間で1,000回未満のものが多いので、負担の重さからか一般人にはほとんど活用されていないようです。よい製品を出しても普及しないのが商売でよくある光景です。
代表は7回視聴予定です。
視聴予定:2022年-2030年
- G社:H問題集:共通テスト水準の問題集です。講義本で解説された用語を覚えているか、設問から使う公式に気付けるか、を主に確認します。198問あります。動画解説がついているのは114本で6割です。
- G社:H問題集High:旧帝大の入試問題5割、偏差値50の入試問題5割、100題、全ての問題に動画解説がついています。東大1割、旧帝大4割、早慶1割、地方大4割といった印象です。地方大の入試難易度は共通テストとほぼ同じです。
- K社:共通テスト水準の動画です。解説の質は高いです。演習は足りません。
- センター赤本:30年分あります。入手した216円の赤本が2015年だったか少し古いので最近の年度がありません。
余談:K2社のM問題集という教材が有名で、多くの方の医学部入試で活用されているようです。物理参考書は代表が高校生の頃からずっとK2社が有名です。
化学
動画視聴と解説書、問題集2冊、過去問
札幌に来てから既に8割視聴済です。追加の動画視聴は100時間を予定しています。物足りないので人気の配信者を探したところ、再生数は数百万回と少ないですが、解説が特に丁寧な個人の配信者を見つけました。200時間程度の動画なので、7回で1,400時間追加する予定です。
- S3社:S解説書:偏差値70、最も網羅性が高い参考書です。ただし、700ページあります。代表も高校生の頃に使っていました。模試の難易度はこの本の記述水準より低いので、この本が習得できれば困りません。
- S社:重要問題集:出題頻度分析をしたようです。その為か、出題単元に網羅性があります。難易度は偏差値60です。
- センター赤本:30年分、偏差値50相等です。基礎しか問われません。
- S3社:S問題集:重要問題集よりやや難しいです。仕上げに使います。
- 北大過去問
生物
準備中
地学
受験には使いませんが、教養として興味があります。不人気な為か、動画教材も少ないです。大手配信者も配信していない場合が多いです。
国語
現代文は読解力と語彙に絞って対策します。代表は小説が特に苦手です。得点率もセンター6割、共通テスト6割、模試8割とばらつきがあります。批評は比較的安定して得点できます。ただし、満点を取った事はなく、記述も中途半端、何から改善したらよいかわかりません。
古文漢文は札幌に来た時点では模試で1割も取れませんでした。英語と異なり、仕事で使う事もなく、15年以上無勉強だったからのようです。そこから数ヶ月対策したらセンターで8割得点できました。現代文よりは暗記が効果的で対策しやすいです。点数も伸びるので、費用対効果が高いです。
- Z社:現代文キーワード読解:現代文は定番本がなく、効果も測りにくいので、点数上昇効果は期待していません。
- K3社:コンパクト現代文の重要知識:こちらも語彙を中心にした本です。点数上昇効果は期待していません。
- K社:ステップアップノート:古文・漢文の文法書です。
- 古文単語帳:K2社、S3社、もう一社で、3冊持っています。
- Z社:古文上達:読解、解説が詳細で、品詞分解の練習にもなります。他社と比較して解説が丁寧で、質が高い印象です。
- センター赤本:30年分
- 北大過去問:未入手、文系受験する場合のみ必要です。理系は不要です。例外は東大で、理系でも国語の二次試験があります。
世界史
代表の2020年センターと2025年共通テストの得点は7割でした。模試は札幌に来た時は6割で、数ヶ月の対策後は8割でした。時間をかければなんとかなりそうな手応えがあります。また、共通テストの社会科目は一度上がると点数が安定すると予想しています。2022年に300時間の対策を予定しています。
- 動画視聴:1つ目の再生数の多い動画は、2020年までに5回視聴済です。2022年に残り2回を100時間かけて観ました。一部の志の高い現役高校教員も無料で授業動画を公開してくれるようになりました。解説の質が高いので、これも追加してみます。1,400時間追加予定です。
- 無料アプリ:3,000問あります。一問一答の教材として十分な量です。
- Y社資料集:写真が綺麗です。一問一答問題集では対策できない写真鑑別問題への対策になります。年号・鑑別問題は配点が低いので、優先度は低いです。王家の家系図を眺めるのが面白いです。
- センター・共通テストの赤本:センターは30年分、共通テストは2025年時点で5年分あります。暗記確認に最適です。設問の選択肢を一字一句全て追います。未知の用語があれば演習が足りません。
- 二次試験で使う予定は全くないので、二次試験の過去問演習、記述対策は一切していません。また、共通テストで年号暗記は重視されないため、出題頻度の低い単元は未対策です。
地理
代表の2020年センターの得点は7割でした。模試は札幌に来た時は6割でした。動画視聴、古本一冊のみ使いました。
- 動画視聴:一回しか観ていません。
- K2社解説本:産地国順位を表にまとめていて、使いやすいです。統計の性質上、代表が高校生の頃と2020年代は産地が一部変わっています。
日本史
準備中
現代社会・倫理
暗記が苦手な人が直前対策で狙う傾向があります。暗記量が他の社会科目より少ないからです。ただし、二次試験科目でない場合が多いです。理系は二次試験に社会がないので、理系で社会の勉強に時間をかけたくない人が選ぶらしいです。内容は哲学や現代社会の政治経済なので、社会人として見ると面白いです。
北大文学部の後期など、ごく一部の大学・学部・時期の入試で歴史など他科目を含めて出題されます。
動画は少なく、再生数も少ないですが、それなりに質の高いものがみつかります。50時間程度のものを選びます。2025年までに350時間を予定しています。